Candle making notes 1
蠟燭を作っている皆さんは色付けの際は何を使っていますか?
染料と顔料と大きく2つありますが、どちらかをお使いでしょうか。
今日はこれまでいろいろな顔料・染料を試してきたので、私の主観で気づいたことを書いてみたいと思います。
まず、蝋燭の制作をする際は、必ず「キャンドル制作用」の色付け材料を使っています。
かつて勉強しましたが、顔料や染料には人体に害のあるものも多く、よく知らずに作品に使用してしまうと、ロウが燃焼して気化した際に空気中に有毒な物質を発生させるとも限りません。
そのようなわけで、人体に無害な「キャンドル制作用」の顔料や染料を使用しています。
キャンドル材料を扱っているお店にはいろいろな色付け材料がありますよね。
ちなみに今私は顔料を使用しています。
でも、最初は染料を使っていました。
白状すると特徴もあまりよく知らないで使っていました。染料を。
ある日、半年くらいしまい込んでいた作品を取り出した時、私は驚愕しました。
い、色がぼやけている・・・!
くっきり引かれていた線も、パーツの境界もことごとくモヤモヤとぼやけているではありませんか。
なんで~!
後で、これ染料だったからこうなったのねと気が付いたのでした。
それからこんなこともありました。
ある蝋燭作品をしばらく部屋に飾っていたら、作品を持ち上げた時机の上に色が変色していたんです。
こすってもとれないし、完全に蝋燭からの色移り・・・
そうか、染料だからか・・・
と気が付いたのでした。
そう、蝋燭制作における染料の扱いは結構厄介なのです。
下に紙を敷いていても時間とともにその下へしみ込んでいきます。
色同士も混ざり合って、薄くなっていく。
なんだか周りに広がっていこうとしているみたいに・・・
紫外線によって脱色していまうという特徴もあるそうです。
とってもデリケートなのです・・・
ただ、染料は発色がいい。
透明感もいい。
ちなみに私は、普段の制作にはなるべく透明感を出したいがために、ベースにパラフィンを使用しています。
出来れば色付けをしても透明感は保ちたいものです。
その点、染料はもってこいなのです。
でも、ずっと置いておけない。
変化しちゃう。
そこで、顔料に切り替えることになったんですね。
顔料は透明感や鮮やかさが多少損なわれます。
でも、変化が少ないです。
色が染み出てしまうこともありません。
10年以上保管していても今のところ見た目に変わるところはありません。
ということでこれが今のスタイルとなったのでした。
でもやっぱり透明感は大事なので、顔料の量を研究しながらやっています。
ただ、すぐに使用してしまうような作品なら染料で制作したらよいのかもしれません。
要するにうまく使い分けるといいってことですね!
ホント、蝋燭っておもしろいなあ・・・
<染料>・・・とにかく透明感!発色!にこだわるなら染料一択。ただし色移りと退色に要注意
- 透明度が高い
- 良く蝋に溶ける、混ざりやすい
- 少しの量で色付けができる
- 発色が良い、色が鮮やか
- 色移りしやすい
- 紫外線に弱い、退色しやすい
<顔料>・・・透明度や発色は染料に負けるけれど、見た目が変わってほしくないなら安定が約束される顔料がおすすめ
- 色移りしにくい
- 変色しにくい
- 透明度が低い
- 蝋と混ざりにくい
- 発色は染料ほどではない
- 量が多すぎると芯が目詰まりすることも
<まとめ>
- 色の変化が起こりにくいため、長く保管したいなら顔料
- 退色を気にせず、すぐに使用してしまう作品なら染料の方が発色が良い
- 透明感にこだわるなら染料
- 染料で色付けした作品は気を付けないと底面が接している部分に色移りする
- 顔料はなるべく溶けやすい蝋中心部に使わない(目詰まりの可能性あり)
- 光の透過性を低くするなら顔料(透明度を低くできる)